「これでいいや」じゃなくて「これぐらいにしとこう」

 ココヤシの幹の基部からとれる繊維はブラックさんぼーです。どうもこんにちは。今月よりHNを改めまして、ブラックさんぼーと申します。タイトルも「激闘編」から「風雲龍虎編」に変わりましたが、別にジャギとかアミバ様が出てきたりはしません。
 


 
 さて、今回も引き続き模型記事です。お前は一体月に何体何日で消費してるんだって話ですが、どうみてもプラモヘビーユーザーです。今回はとある事情により縛りプレイの中で作ったものなのでいつもと大分作風が違うかもしれませんが、まぁたまには良いでしょう。
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バンダイ「MG1/100 F-91」



 懐かしいですねぇ。F91!個人的にはシルエットフォーミュラシリーズの、言い方が悪いですがパチモン臭のする機体も好きでして、特にハーディガンとかGキャノンマグナなんて奴も好きです。あとドロシー可愛い。

 他には丁度この時期に流行った(?)ガスマスクというか、ダースベイダーみたいな面のクロスボーンバンガードのデナンゲーとかデナンゾンみたいな機体。後のトムリアットとかゾロアットにもこれに近いデザインが継承(設定でどうなってるか知りませんが)され、従来のガンダム作品のMSデザインに無かった新しい感じになっていて印象的です。

 F91ですが、これまた特徴的な多数のフィンや、バックパックが存在せずに華奢な胴体からのぞくグリル(?)やまるで車のエンジンのようなブースター等、斬新なメカデザインをしていてカッコイイ機体であります。今回はこの特徴的なフィン、90年代風の曲線的なフォルムとメカニズムを楽しめるようにやってみようともいます。





■ストレート組
 パチッ組ですが、事情によりいつも以上に丁寧に、普通ならトップコートの艶消しによりほとんど目立たなくなるような痕跡も、ルーペを使って一つ一つチェックして仕上げてやります。内部フレームも今回は見えますので合わせ目を処理して徹底的に仕上げてやります。事前にインストに描かれた設定画を参考に合わせ目を消すところそうでないところを確認しておくのが良いです。

 合わせ目消しには定番の瞬間接着剤。今回はスピードも必要でしたので処理効率をあげるためにウェーブ製瞬着硬化スプレーを用意。今回は全体的に細身で小さいので、塗装が厚ぼったくならないようサーフェイサーを限界まで薄くし、表面処理には通常の金物ヤスリに加えて、ペーパーを320→600→1200で処理。

■後ハメ加工
 脇腹に取り付ける装甲は胴体を左右から挟み込むモナカですが、これでは背中側に合わせ目ができてしまうので、胴体の内部フレーム側の受け軸を加工して組んだ状態からでもパーツを取り外しできるようにしてやりました。こうすれば半分ネイキッドモデルとして楽しめるように思います。

■ヒケの処理
 ヒケというのは金型に流し込んだプラの熱収縮時に、収縮率の大きい肉厚の箇所だけ他よりも凹む現象の産物です。昔は大量に存在ありましたが、現在は激減して技術の進歩を肌で感じるわけですが、これが残ったままになっていると
メタル系や光沢系の塗装では光のゆがみを生んで美しさが損なわれ、艶消しであってもサイズにより非常に目立つので処理しなければなりません。一部のAFVでは実物でも歪んでいたりするのでほったらかしでも構わないんですけどね。

 さて、見ただけでは殆どわかりませんが、光を当てて注意深く観察すると発見できます。あるいは紙ヤスリで撫でてやってかかっていないところで見つけることもできます。今回は解り易く、サーフェイサーを吹いて軽くペーパーを掛けて見ました。

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 ご覧のとおり、グレーになったパーツにペーパーを掛けると白い地肌が露出するはずですが、色が変わらなかったところがあり、ペーペーが掛からなかった事がわかります。丁度この裏側には補強と内部フレームとの連結を兼ねる筋違が入っており肉厚になっていました。このまま平滑になるまでペーパーを掛けすると形が変わってしまうので、瞬間接着剤をパテ代わりにしてペーパーで均してやりました。

  
■モールドのレタッチ
 ヴェスバーのカバーには二本の細いモールドが入っていますが、これがあまりにも浅くてもっさりしているので、後で墨入れしてしっかりラインが出るように彫り直してやりました。Pカッターは太すぎるのでケガキ針とエッチングノコで細く深く彫ってやればOKです。






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■洗浄
 今回は通常通り中性洗剤を使ったパーツ洗浄を主に行いましたが、処理が甘くサーフェイサーチェックの段階で再度レタッチが必要になった少数のパーツ洗浄には、ワザワザ台所に水を張って洗うのは手間がかかりすぎるので、今回はこれを使いました。パーツに軽く吹きつけ、泡が出たらしばらく待ってからティッシュや乾いた布でふき取れば完了。とっても簡単です。ただコストパフォーマンスがずば抜けて高いので、少数の洗浄にとどめた方が良いでしょうね。


■下地処理
 下地にはサーフェイサーを使いますが、今回は塗料の乗りをよくするのではなくキズチェック用なので色が少し変わればOkですし、白や黄色の発色を助けるために更にベースホワイトを使うのでやはり薄い方が良いです。

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 チェックが終われば明るいパーツにはベースホワイトを使ってパネル中央に、どうせエッジにはあとでシャドウ用の塗料を吹くのでムラがあっても気にしない。赤いパーツは赤を鮮やかに発色させるためにピンク色のサーフェイサーを使います。先に使ってエアブラシのカップに残ったベースホワイトへ、基本塗装につかう赤を一滴添加してやればOK。 


■下地塗装
 今回はF91のデザインが車のモノコック構造のような曲線的なデザインをしているので、よりスケール感等がでるように、パネル中央を明るくエッジを暗くする一般的なグラデーション塗装を施すことにします。
 よくこの塗装方法を「MAX塗り」と呼ぶ人が居ますが、実際は元々スケールモデルで使われていたグラデーション塗装を、あのおじさんがキャラクターモデルで使い始めて広まった物で、モデラー全体の世界では通じないことも結構あります。現在のMAX塗りは進化して若干違う物になっていることもあり、ここではキッチリ差別化するためにもグラデーション塗装と呼びます。

 グラデーションを掛ける前に下地塗装を行って後の塗装を簡略化させます。よくMAX塗りをエッジ黒くする塗装だと勘違いしている人が居ますが、実際は“暗くする”ことによってパーツ中央が盛り上がったように見せるための工夫です。今回は曲線的なデザインなので通常よりもグラデーションのかかりが自然ときつくなりますので、エッジの明度は高めに設定する方が良いでしょう。
 そのため下地塗装で使う影の色はMAX塗りをはじめとしたグラデーション塗装よりもはるかに明るい色で行い、重ねる色の濃度を薄くしてなるべくシャープなラインを維持しようと思います。

 白いパーツの陰塗装にはホワイトとニュートラルグレーを混ぜた明るいグレーを使い、ブルーのパーツはキャラクターブルーにミッドナイトブルーを加えた深い青を、赤いパーツには血のような赤であるマルーンを使いました。暗い色よりは深みのある色を使うのがいいかもしません。

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内部フレームはABS製なのでなるべくストレスを加えないようにタミヤカラーのニュートラルグレーをサフの代用にし、ブラックで下地塗装を行いました。
 

■塗装
□内部フレーム
 内部フレームは一旦ブラックで塗装後、ジャーマングレーで塗装してクリアーでオーバーコートしています。暗い色の色味の違う暗い色をむら気味に吹くとメタル調になったりします。

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□噴射ノズル基部
 こちらは特徴的な噴射ノズル部分の基部で、インストの指定カラーは黄色なんですが、これではちょっとちゃっちいのでもっとメカニカルに仕上がるように工夫し、バイクのエキゾーストパイプのような金属焼けを再現しています。




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 一旦ブラックで塗装後、スーパーシルバー+クリアイエロー+クリア―オレンジ+クリアーブラック(クリアーの赤青黄色を調合)したオリジナルブレンドのチタンゴールドを作成、これをベタ塗りしたあと、クリアーイエロー→クリア―オレンジ→クリアーブルーの順に塗っています。写真が悪くて微妙ですが、実物はかなりやらしい感じの色合いになっています。


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 実際はこんな風にはならないでしょうけど、内部メカを見るためにカバーや装甲を外してこんなパーツが出てきたら「お?」と目を引くと思うのでやってみました。






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□靴
 この「足」のパーツを何て呼ぶのかと思っていましたが、模型サイト巡りをすると「クツ」という表記があり、インストにもハッキリ「クツ」と書かれていました。
 ピンクのサーフェイサーで塗られたパーツにマルーンで影塗装を行っていますが、パネル中央から外側に向かって円を描くように色を乗せ、エッジの部分にも補正するように少し乗せてやれば綺麗に色が出ます。
 
 ちなみにピンクサフなんですが、実は優れものでして、グレーサフでは暗くなり、ホワイトサフでは明るくはなりますが鮮やかさに欠けるし塗料のピンクでは隠ぺい力に劣るという問題点を一度に解決してくれます。本当に凄い。

□コクピットハッチ及び胸部装甲
 青です。元々結構明るい色なので吹く分量を調節してやることである程度グラデーションをつけることができます。

 余談ですが、自分は塗料をあまり混ぜて使いません。調合するのは基本的に無い色(未発売か手元に無い)を作る時とグラデーションの明るさを調節する時ぐらいです。一部の塗装法を除いて、混ぜて使っても大した差は殆どありません。理由は三つあって、混ぜても作ってる人にしか解らないレベルにしかならないことが多いですし、そもそも市販の塗料の大半は実物で使用されるカラーチップを元に作られている事が多いので、特にスケールモデルでは混ぜる必要が無いというのが二つ、最後は普段はウォッシングやウェザリングをすることが多いので、塗料を混ぜた時の発色が完成時にも得られるか否かは解らないというのがあります。

□本体塗装
 白です。グレーサフを使っていますが、これでは白を発色させるのに大変な労力を費やしてしまいます。なので、グレーサフでパーツチェックした後はベースホワイトと、ホワイト+ニュートラルグレーのオリジナル「シャドウグレー」を使って影塗装をし、上からキャラクターホワイトを重ねてハイライトと白味の強調としてホワイトを軽く乗せるように吹いてあります。



a0087449_3114991.jpg■墨入れ
 前回のシャイニングガンダムのエントリやそこへ頂いたコメントでもちらっと触れましたが、簡略化した方法をちょっとやってみたいとおもいます。使うのはこちらの3品。ガンダムマーカー墨入れ拭き取りタイプと拭き取りペンにどこにでもあるシャープペンです。

 まずガンダムマーカーについてですが、墨入れペンに関しては二種類発売されていて、こちらが罠になっているので要注意です。特に徹夜明けとかで買出しに行ったら大変なことになるのでお気を付け下さい。今回は見事にやらかしてパーツ塗装をやりなおしました。
 ペン先の種類別に筆ペンタイプと極細タイプとでていますが、極細タイプは油性なので塗装面に使用して失敗しても綺麗に落とすことが難しく、使えるのはプラの地肌が露出した簡単フィニッシュぐらいでしょう。対して筆ペンタイプは水性なので失敗しても水で湿らせた綿棒を使えば簡単に落とせますし、拭き取りペンで除去することも可能です。
 いつもは筆ペンタイプの水性を長い事使ってたので、徹夜明けにお店に出かけて買って帰り、墨入れをしてから「あれ?」って思いました。落ちない・・・?どうかお気を付け下さい。

 実際にやっていきますが、はみ出しても気にせずガンガン墨入れしていきます。はみ出したり汚れたりしたら、塗料が渇いてから拭き取りペン(リアルタッチマーカー)で拭うと綺麗にモロモロになって取れますし、綿棒であればチョンチョンとたたいて乾いた方で擦ると落ちます。
 お次はシャープペンによる墨入れ。最近プロモデラー推奨アイテムとしてグンサンから300円ぐらいのシャーペンが発売されてるようですが、これは何ら新しい発想でもなんでもなくて、15年以上前から存在しています。最近になって思い出したように出たのは、おそらくこれが出始めた頃の手に入るシャープペンと言えば0.5㎜芯のHBのみで、細い0.3㎜芯のしかも2Bより上となると大きな文房具店に行かなければないような代物でしたので、当時小学生だった少年少女には入手可能な0.5㎜で1/144クラスのモールドに綺麗な墨入れを施すのはほぼ不可能に近かったため、さほど普及しなかったんじゃないかなと思います。現に自分も自分の周囲でもこれをやる子が多数いましたが、割とみんな投げていました。
 使ったシャーペンはごく普通の物で、無印良品の一本100円の0.5㎜芯タイプでペンケースに突っ込んでいたものです。メモやラフスケッチを描いたり下準備で活躍しております。0.3㎜があったと記憶していましたが、どうも違ったようで、面倒くさいのでこれを使います。大活躍のダイソー製メモパットで先を鋭角に尖らせつつ使えば別に0.3とか必要ない感じです。
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 このような感じになります。向かって左が墨入れ済み、右が未処理のパーツです。かなりシャープなラインを入れることができますし、失敗しても湿らせた綿棒でコチョコチョすると落ちます。これを上手くやるには、塗装面が艶消しになっているほうが綺麗に入るようなので、全塗装前提というのが当時普及しなかった理由じゃないのかなぁと思いますが、この辺の考察はいずれどこかで。





a0087449_3124795.jpg■デカール貼り
 今回は諸事情によりキット付属のドライデカールと市販のウォータースライドマークの二種類を使いました。市販デカールはクロスボーンガンダム用デカールを使用し、キットでは分厚いシールになっている点検ハッチや注意書きを一部こちらに置き換えています。普段はあまり出来が良くならないということもあって必要以上は使いません。

□パイロットフィギュア
 面倒くさいのでいつもは完全にスルーして、細切れにされた挙句接着剤と混合されて即席パテにされたり、コタツの掛け布団と天板の隙間に入って永遠にもつけてもらえなくなったりと、文字通り跡形もなくなる運命の人々ですが、今回は事情により塗装してみました。女性の小指の爪程のサイズで顔に至っては米粒クラスのサイズですから、今回は面相筆を使いました。

 劇中のカット及びアニメの設定画からパイロットスーツの物を探しだし、色味を吟味してよりそれらしい色合いにしてみました。写真では大分淡く見えますが、実際はもうちょっとケバくなっています。あまりにも小さいので心持派手になるようにしたほうが良いんじゃないかなぁと思います。

 インストを見るとフィギュア塗装用に塗料を調達せにゃならん感じでしたが、出かけるのが面倒くさいので今回は本塗装に使用した塗料だけを混ぜて作ってやりました。美術の先生も「原色と白と黒さえあればどんな色でも作れる」って仰ってましたしね。使った塗料は装甲に使用したキャラクターレッド、同ブルー、ホワイト、あとはニュートラルグレーとブラックです。
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 パイロットスーツの紫はキャラクターブルー、同レッド、同ホワイトの調合でパープルを作り、それをキャラクターホワイトに混ぜています。
 グレーの部分はニュートラルグレーに先ほどのパープルを混ぜてそこへ少量のキャラクターブルーを混ぜて作りました。
 バイザーのスカイブルーはキャラクターホワイトと同ブルーの混合によるもので、ワンポイントの手首と胸の赤はキャラクターレッドです。

 通常AFVのフィギュアであればこの後立体感を強調するためにウォッシングやドライブラシをやりますが、こいつはあまりにも小さいので色の境に墨を入れて輪郭線を持たせてやる方が良いでしょう。色の境界部分にタミヤエナメルカラーのブラックで境界線を描きこんでやりました。

 ラストはトップコートを吹いて、バイザー部分にタミヤエナメルクリアーをちょんと入れて光沢を再現してやって完成です。あとは全パーツに艶消しクリアーを吹いて組みたてて完成です。


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 と言うところで完成です。パーツ数が多くて思いのほか手間取って二週間程掛かってしまいましたが、あの量のパーツを処理したことを思えば40点ぐらいでしょうか。デカール汚いし。とにかく疲れました。汚しを掛けない綺麗な仕上げなんか普段やらないので滅茶苦茶苦労しました。いやぁ面白かったです。
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ガンプラ作るの苦手だわ・・・。
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Commented by moeru_otoko at 2012-02-16 23:37
内部まで凝っててめちゃかっこいいです!!
Commented by さんぼー at 2012-02-23 01:20 x
ありがとうございます!

とりあえずMGはせっかく内部フレームが再現されているのですから、ぶっ壊して露出させたりしないともったいないかもですね^^;
Commented by ポックリさん at 2012-03-13 00:33 x
陰影の付け方がおとなしめなのに存在感があって、すごく綺麗な仕上がりですね。
バーニア周りはバイクや車のエキパイのような塗装、ということですが、F91はF1ブームに触発されて命名・デザインされたらしいので、ある意味ちょうどいいかもしれませんね。
贅沢を言うなら、せっかくなので武器を持ったポージングも見たいです。

この文面を拝読した限り「諸事情」のほうは順調そうですね。
頑張ってください!
Commented by さんぼー at 2012-04-20 01:54 x
>ポックリさん
 綺麗に作るのは苦手ですが、お褒め頂いてありがとうございます。模型雑誌読まないので良く知りませんが、マックス塗りってもしかしたらこの頃のメカデザイン合わせて持ち込まれたんじゃないかと思わせる表現ですよねぇ。G,V,W、Xと曲面構成が多用された時期でもありますし。現在では空気遠近法という淡い色で塗るのが流行りらしいですが、何が優れているかではなく、どこで何を狙ってどう使うかってことなんじゃないかなぁって思います。
 キットそのものがフリーになったので、ちょっとポージングに関して今色々検討してますからまた改めてアップさせて頂きますね。
by sanbo_cho | 2012-02-08 03:17 | 模型 | Comments(4)

ひたすら模型*製作代行もやってます!


by さんぼ@塗装済完成品売却・納品完了