引っ越しで缶切りを持ちだしたのに殆どプルトップ

 川のよどみにセキを作っておくと魚がブラックサンボです。おはようございます。資料が揃い次第依頼の仕事に取り掛かろうかと思います。




 なんやかんやで二か月以上空いてしまいましたが、実は地味に作業して居た物が完成してしまいました。なので今回も模型記事となります。またかよ!って言われるかもしれませんが、その通りだ!リクエストとかあったら受け付けます。万単位のキットとかは勘弁ですが。





 今回作成したのはこちらのキット
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バンダイ
「HGUC 1/144 MSM-07 ズゴック」


 いい加減、砂や泥に飽きてきたので、そろそろ水辺で遊びたいなーということで今回はジオンのビックリドッキリメカの水陸両用兵器ズゴックを作りたいと思います。作りたいと思いますってこれを書いている時点ではすでに完成してるわけですが。

 さて、ズゴックと言えばジオン地上軍のなかでも北米に拠点を置く海軍所属兵器として何度か登場し、その特徴的な鋭い爪とフレキシブルジョイントで構成された腕や足が魅力の機体でした。非常に強力な対地や対艦攻撃が可能なミサイルに、高出力のビーム兵器を駆使して活躍したのが印象的です。

 この機体は特に水陸両用型なので水中から上陸して戦闘することを考慮に入れた迷彩塗装や、対艦戦闘に必要な水中迷彩等色々な仕様が考えられますが、今回は海軍所属により水中機動戦や水辺からの強襲揚陸等の奇襲作戦などに従事していたということを考えて、あえて陸や水中の迷彩にはせずに単色の機体で「海軍機」とか「駆逐艦」や「魚雷艇」のような仕上がりにしてみたいと思います。





■キットチェック
 バンダイの1/144シリーズのなかでもかなり安い部類に入るようで、家電量販店の玩具売り場にて700円ちょっとで購入することが出来ました。ボックスアートはこのような感じで、プラモ特有の味わいは感じられません。

 開封してみると固定武装が内蔵式ということもあってかボリュームは控えめ。フレキシブルな腕や足のパーツはABSのボールジョイントを一体成型の装甲にはめ込む仕様。
 パーツの出来はかなり酷い物を引いたようで、エッジはめくれているわ、ヒケは凄いわ、パーツは歪んでるわで修正作業に手間がかかる物でした。
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 特徴的な爪パーツは安全対策もあるのか、かなり分厚いシルエットで完全可動式。はめ込み構造が単純なので後ハメやマスキング塗装の必要はありません。

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 モノアイのパーツは一体成型パーツにシールを這って再現。固定式なので一度貼ってしまうとぐりぐり動かすことはちょっと無理そう。上からかぶせる頭頂部のパーツは、胴体とモノアイパーツのダボで連結して固定しますが、胴体に接する支柱は成形が悪いせいで浮き上がってしまいます。8本あるので摺合せが大変そう。胴体側も合わせ目のところで歪んでしまっていました。

 モナカ構造のハイドロジェット推進装置は独立してポリキャップで本体に連結する仕様になっていました。マーキングシール等は一切入っておりません。この辺も安い理由でしょうかね。

 という具合にパーツの成形が悪く、安い分だけ手間がかかってしまうので、綺麗に作るのには少々難易度が高そうです。最低限必要な表面処理を行ってストレートで仕上げても良いんですが、せっかくこの変態兵器を作る機会なので、単色塗装でも十分見応えがするように、市販のパーツ等を使ってディティールアップを施してやろうと思います。 

■組立
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 とりあえずストレートにバシバシ組んで行って、全体の様子を組み上がった状態で見てみようと思います。この状態にしておけばポージングをしたりその際にディティールアップ箇所がはっきりするのでやっておきます。

 パーツが少ないのと左右同じ作業が多めなので、かなりテンポよく組み上がります。かなり徹底した表面処理を後で行うのでゲートなどの処理はこの際いい加減で良いでしょう。さくっとやって一時間半ほどで終了。
 
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 はい、こんな感じです。胴体、腹、腰、腕、推進装置の5カ所で合わせ目消しが必要となります。シルエットはマスターグレードよりマッチョでカッコイイ気がしますが如何でしょうか?

 やはりアニメの作画に準拠した入門用なので若干の物足りなさを感じます。今回は組み上げた状態で、気になる「死に面」と呼ばれる間延びしていて何もない空間にパネルラインの分割線等を追加し、特徴的な爪をもっと凶悪な印象に変えてみようと思います。更に水中機動と陸上戦闘というかなり無理のある状況で酷使されたような使い古された汚し等を行っていこうと思います。

■合わせ目消し&表面処理
 合わせ目消しにはリモネン系流し込み接着剤を使用し、補助として瞬間接着剤を併用しました。ペーパー掛けにはスポンジヤスリを使用し、同時にゲートの残り、ヒケ、パーティングラインやエッジのめくれ等を処理してやります。
 ヒケの処理では凹んでしまったパーツに、ヒケが消えるまでペーパーをかけてしまう人がいますが、これをやるとヘタをすればパーツのラインを変えてしまう事があるので できればパテを使って埋めてから面一にするのが良いと思います。わざわざチューブパテやエポパテをネリネリして盛るのが面倒な場合は、その辺の瞬間接着剤で代用すればOK。今回は曲面が多いのでフィニッシングペーパーよりはスポンジヤスリをつかってRを崩さないようにしてやるのが良いかもしれません。

■ディティールアップ
 表面処理が終わったパーツにディティールアップを施し、より機械的な表現を追加してやろうと思います。



□推進ノズルの追加
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 股の部分にモールドでノズルの一部が再現されていますが、出来が悪いので、市販のモールドパーツで密度を上げました。更に前後にスリット突きの角ノズルのサイズ違いをコトブキヤのパーツから。





□推進装置のファン
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 ハイドロジェットエンジンは元の状態ですとこのような開口部のパーツが付属しています。噴射ノズルがかなりの面積を占有してかなりゴツイので、ノズルを自作パーツに置き換えて精度を上げ、周囲の開口部を広げて自作のファンが見えるようにして密度も上げてやろうと思います。写真の元のパーツは試行錯誤中のもの。




□ファンの自作
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 ファンの自作は非常に簡単です。サークルカッターで内径に合わせた円を左右4枚切り出し、半分をファンとファン固定用の台座に利用します。ファンは切り出した円をピザの要領で16等分し、エッジに0.3㎜プラ板の下駄で角度をつけて固定するのみ。

□ノズルの自作
 ノズルの自作は市販のディティールアップパーツを組み合わせて。コトブキヤ丸ノズルからサイズの違う3種類を用意し、お皿を重ねるように内径の小さい物を中にはめ込むだけ。ノズル周囲にある4枚のブレードは0.5㎜プラ板から自作し、これをファンに張り付けて終了。

□カバーの内円加工
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 書く必要はないかもしれませんが、ファンを格納する円形のパーツの内側に元々あったディティールの痕跡や加工時の傷が結構汚い状態で残ると思います。これを綺麗するためにはヤスリがけで面一にしなければなりませんが、削り過ぎるとファンがグスグスになっておかしいので、大きな傷にはポリパテを盛ってペーパーで仕上げます。しかし、ヤスリがけで円形を、しかも内径を綺麗に仕上げるのはちょっと面倒なので一工夫。
 使うのはカビが生えたり埃を被って口に入れるのはちょっと無理になってしまった爪楊枝セットとタミヤフィニッシングペーパー、ワクワクさん御用達両面テープそして電気ドリル。余談ですが、家に余ったデカイダンボールとか、遊び潰していいストローなんてそうあるもんじゃないですよね。
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 爪楊枝を軸に両面テープでペーパーの短冊を張り付け、それグルグルっと巻いてゼンマイヤスリを自作。これを電気ドリルに固定して回転させると遠心力でペーパーが広がり、内径にフィットしながら研磨を行ってくれる優れものです。これを使えばあっという間に綺麗な内円が!
 ちなみに爪楊枝を軸にしていますが、ブチ折れて顔面にぶっ飛んできたりすることがあるのであまりお勧めしません。自分は使う時にS&Wの射撃用メガネを使って保護していますので、ご注意ください。 
 
□爪の加工
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 爪は分厚く鈍い印象をよりシャープにして精度を上げてやります。先端部分が安全のためなのか丸く潰れているので、この部分を一旦ならして、造形時に出るプラ板のクズを張り付けて大まかに成形し、パーツにデザインナイフでカンナ削りを行ってより鋭利に仕上げた後、ヤスリがけを行って先端も鋭く加工してやりました。この際パーツに大きな傷がついてしまっても気にしなくてOK。あんまりおかしい物は修正してやる程度でいいでしょう。




□モノアイの改造
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 キットではモノアイは固定式パーツにシールを貼って再現しますが、これではいかにも玩具なので、キットのパーツを改造して市販の純正カスタムパーツを使って密度と精度をあげてやります。

 モノアイのレール部分は一度頭頂部に突きでるミサイルのディティールだけ残して削り落とし、パテでモノアイブロックを自作して0.3㎜ペーパープラ板でレールを再現。
 通常、造形にはタミヤやグンサン辺りが出すパテを使うと思いますが、今回はセメダイン木部用二剤混合エポパテを使用。これは硬化時間がなんと10分という速度を誇り、木材程度の切削性を持つので加工が非常に楽。ただ、えげつない臭気を放つのと、硬化時間が早すぎてパテその物の強度が低い点に注意が必要です。簡単に凹むしもたつくと固まってしまう。



□動力パイプの追加
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 フレキシブルな腕と足の内側に動力パイプを入れて密度を高めてやろうと思います。装甲の連結部分付近を開口し、手芸店で調達したレーヨン紐を通して完成。最近は専用のメッシュパイプ等便利な素材がありますが、手に入らなかったのでこれで代用。似たような編み目がついているので便利。染色液で自在に着色できる利点もあります。

□パネルラインの追加
 今あんまり聞きませんが、通称「死に面」と呼ばれる部分にパネルの分割線を入れて情報量を追加します。鉛筆等で下書きを十分に行い、デザインや個数を決めたら、プラ板でテンプレートを作成しそれで切り出したビニールテープを定規代わりに彫ります。
 曲面に手描きしたモールドをなるべく高い次元で再現するためには、曲面に沿った線を平面のテンプレートに転写する必要がありますが、今回は付箋を曲面に宛がってラインの長さをマークし、それを計測してテンプレートのプラ板をラインの形に切り出しました。エッチングスケール等があれば便利ですね。持ってませんが。
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 モールドの曲がり角にニードルで軽く穴を開けてやればスジ彫りの際にツールが飛んではみ出たりするのを防ぐ。まぁ失敗はするので一発勝負なんて思わずどんどん彫って片っ端から修正するぐらいの勢いの方が良いです。
 腕、胴体、腰、足、脛、頭、推進装置等にモールドを加え、ついでに靴や胴体の最初からあるモールドの甘い部分を彫り込んで精度を上げてやりました。ツールは太い部分はPカッター、それ以外はニードルとエッチングノコを使っています。

□ダメージ加工
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 ダメージ加工を追加して酷使された様子を再現しておこうと思います。リューターを使ってエッジを加工。ビットは2~3種類使っています。
 靴の底の部分は前回旧ザクで用いたのと同じ手法で、瞬間接着剤を塗っては延ばし、塗っては延ばしてを繰り返して荒れた状態に。飾ると見えなくなりますが。

■サーフェイサー
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 さあ、全てのパーツのディティールアップと表面処理が終わったのでサーフェイサーを吹いてみました。どうですかー、この発売前の玩具の様なグレー一色のキット!これが楽しいですねぇ。一度これだけで終わらせるキットを飾ってみたいものです。どんだけ好きなんだよって話ですが。写真では両腕で組み込むとあとが面倒臭いので左だけ未装着です。

■塗装
 今回の塗装は海軍機やWWⅡのドイツ海軍が用いたUボートのような、ライトグレーとダークグレーを基調にしたカチっとした印象にしてやろうと思いますので、こちらの塗料を使いたいと思います。
◇Mr.カラー
ジャーマングレー
ブラックグレードイツ軍機内色
グレイッシュブルー
ミッドナイトブルー
ホワイト
ブラック
アイアン
スーパーシルバー
クリアーレッド
クリアーオレンジ

□基本塗装
 まずは定番のブラックとジャーマングレーを半々で混ぜた影塗装塗料で影になる部分や機体内側を塗装して準備完了。

 腕の塗装にはグレイッシュブルーに微量のジャーマングレーをドイツ軍機内色を混ぜたライトグレーで塗装。ホワイトで明度を上げてハイライトの最大4段まで、途中から微量のクリアーイエローを入れて色味を調整しています。
 胴体はドイツ軍機内色にグレイッシュブルーととジャーマングレーを微量足して調整した色で塗装。ホワイトで明度を上げてグラデーション塗装。ハイライトを入れた最大4段塗装。最後のハイライトは基本的に上面を向いている部分か高い部分にのみ吹きつけてやります。
 脛、靴、腕、推進装置にはミッドナイトブルーとジャーマングレーに少量のブラックを足した色味の違うグレーで塗装。塗装方法は同じで最大4段のハイライト。
□爪の塗装
 硬い構造物も貫通させる爪の塗装でちょっとした一工夫を。
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 先ほど影塗装で黒塗りになった爪。ここへスーパーシルバーを使って銀塗装します。黒にシルバーを重ね塗りすると何もせずにサフに直吹きすぐときとは発色が変化します。













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 次にグレイッシュブルーをむら気味にシルバーが透けるか透けないかのギリギリの薄さ、もっと言えば下地のシルバーの影響を受け気味の状態まで薄く塗装します。ここへレッドブラウン、レッド、グレイッシュブルーで調合した錆止めプライマーの赤をつめの根元と爪の先部分に軽く吹きつけます。ラストにレッドブラウンにブラックを合わせた錆色をドライブラシ。









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ドライブラシをすることでプライマーが削れて下地が錆びた状態を表現することが出来、同時に下地のシルバーが浮き出てくる箇所も出てくるので、錆が摩耗で削れて金属のフレッシュな部分が露出した箇所も再現することが出来ます。

□デカール
 エイジングをする前にデカールを貼ってクリアーで艶調子を整えておきます。デカールはガンプラ用デカールの艦船用、グフカスタム用を使用しました。機体番号を示す数字は作業を行った日付の「531」意味はご覧になった方が適当に考えてください。 


□汚し塗装:チッピング
 長年の使用により塗装が所々剥がれ落ちたような表現を加えて、下から金属の地肌が露出したような仕上がりにしていこうと思います。使用した塗料はミスターメタルカラーシリーズ「アイアン」です。乾燥後に磨きをかけると金属の光沢を出す特殊な塗料で、単体で研磨作業だけでグラデーションをかえることのできる便利な塗料。
 これを面相筆でパーツのエッジや予めリューターでかけさせた部分にチョンチョンと載せるようにして書き込んでいきました。さらに張り付けたデカールの一部もデザインナイフの先で掻き取って擦れたような状態にしています。


□汚し塗装:エイジング
 雨風にさらされて汚れた様子を再現するためにエイジングという手法を使います。エナメル塗料の廃液をかき集めたオリジナル塗料(?)でウォッシングの要領で塗り付け、通常であれば拭き取るところを今回は拭き取らずに放置。ウォッシング時には塗料瓶を撹拌してある程度の濃度を維持して行っていますが、拭き取らない場合は撹拌をせずに上澄みを使う感じでやるとクドすぎなくて良いかもしれません。あんまり薄すぎる時は混ぜた方が良い気もしますが。





□錆び汚れ
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□ウェザリング
 ウェザリングにはタミヤエナメルカラーのダークイエロー、バフ、アースの三色を使用。ビームの射出口とミサイルの付近には黒とミッドナイトブルーを調合した煤を。足回りには泥をタミヤウェザリングスティックのマッドとアースで。この時にかるーくニュートラルグレーでドライブラシ。


□トップコート
 トップコートには水性ホビーカラーの艶消しクリアーで行って完成です。艶がきちんと消えていないところがあると思いますが、これは後々の工程を考えてあえてこの状態にしてあります。何が起こるかはお楽しみ!






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MSM-07 Z GOK


というわけで出来上がりです。如何でしょうか。うーん、やはり水陸両用型とあって趣が変わって良いですねぇ。純粋に地上戦闘や宇宙で戦う機体と違って、地球圏に特化した機体というのが良い物です。重力に縛られてはイカンと仰る方がいますが、振り払うのは無理そうですな・・・自分には。そんな気がいたしました。

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 今回試みた錆表現。
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 ちなみにこの手の機体に描かれた番号の中には、本当に〇〇年〇月とかいうのが本当にあります。戦闘機なんかだと採用年数なんかがそれですね。531に関しては適当に想像して頂いて結構です。ではまた!
 
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Commented by moeru_otoko at 2013-07-10 00:37
ファンが凄いなぁ。自作かぁ。かっこいいです
Commented by さんぼ at 2013-07-13 23:38 x
>燃える男さん
ありがとうございます。
 なにやらマスターグレード版には、このハイドロジェットエンジンのタービンを含めたメカが最初から再現されているようで、格納スペースも結構広いためにいろんな内部メカも多数再現されているんだとか。
 
 今回もなるべくそのスケールに追いつけないかと工夫を凝らしまして、モノアイもホイルシールの固定式から、着脱可動式にしたり、ブレードを作ったり、パネルをラインを彫ったりしましたが、なにより、見て楽しんでいただければそれだけで嬉しいものです。
by sanbo_cho | 2013-06-02 06:14 | 模型 | Comments(2)

ひたすら模型*製作代行もやってます!


by さんぼ@塗装済完成品売却・納品完了