中華そばにこってり要素は要求してない

雪を掴んで握りつぶすとブラックさんぼです。どうもお久しぶりです。やっと暇になったのでなんかやります。 



 最近ガンプラの比率が若干高めになっていますが、巷ではガールズアンドパンツァーとか艦これの影響で戦車や戦艦のプラモを造る方が少し増えたようなので、久しぶりにそっちのジャンルを作ってみようかと思います。って言う口実にします。「久しぶりに」とは言ってますが、諸般の事情でアップ出来ない物があるので言う程でもないんですけど。今回は場所の都合で戦車。

  

 戦車模型をいきなり始めるとだいたいの人が「色がついてない!」とか「金属パーツが金色って変じゃね?」とか「人形が白くてびっくりしました」とか、ガンプラとのギャップで驚かれたり、総じて価格帯が高めであったり、考証偏重主義によるガチガチの制約と言った敷居の高さ故に途中で投げ出す方が多いなんて話を聞ききます。今回はなるべく簡単にしたいと思うのでこちらのキットを缶スプレーと筆で仕上げちゃいましょう。エアブラシの清掃はかなりダルイ。


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タミヤ 1/48 
クルセイダーMkⅠ/MkⅡ巡航戦車


 1/48はタミヤから出た新しいシリーズで、航空機に合わせたスケールダウンモデルです。小さいながらも出来が良く、中でもクルセイダーは同車の既存製品のなかでは1/35に匹敵する完成度の高さを誇っていると評価も高い一品。タミヤ製品特有の組み易さと出来のよさは入門用にしても上級者向きにしてもお勧めです。フィギュアや小物同時に発売されていますし、エアフィックスやICM、プライザーなんかの製品と合わせても楽しいです。

 今回のクルセイダーは不人気な英軍戦車の中でもマイナーに部類されて特に「びみょう…」と言われる一両で、投入当時はドイツ軍も驚嘆の駿足だったにも関わらず、装甲はペラペラ、火砲はライバル格のⅢ号に鼻で笑われる豆鉄砲、元々ハイパワーなのに更なる速度を要求され過剰改造の末に故障続出のエンジン。挙句の果てには硬すぎたマチルダの影に霞みがちな存在感は終いにはアメリカのレンドリース兵器の前に無かったことにされてしまった一両です。でも僕思うんだ、これだけ一番カッコよかったって。見た目と名前。

 
 タミヤではこれをMKⅠとMKⅡをコンバーチブルキットにしてくれていますので、前述した通りになるべく面倒な手間をかけずに最低限のポイントを押さえて出来るだけ良い物を比較的簡単に作るという、一見矛盾したことを「とりあえず完成させる」ことを目標にしながら筆と缶スプレー塗装でやってみようと思います。

 






■キットチェック
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 さぁ、中身を開けて見ましょう。ボックスアートは現行品の1/35スケールと趣の違った黒の箱に背景付イラスト。側面にはいつも通り解説と完成見本写真を配し、亜鉛ダイカストシャーシの使用により箱のサイズには不釣り合いな重さのため小ぶりながら安っぽさはまったくありません。イラストもカッコイイ。
 ちなみに田舎では贈り物やお菓子はとりあえずBIGなのが良いらしいです。こじんまりしたそこそこ値の張るお茶菓子を出したら客人から「小さい!」とクレームがあったとか。あんまりだ。




□内容
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 ヨンパチの特徴である重りを兼ねた亜鉛ダイカスト製シャーシは青みが掛かったライトグレーでタミヤパテとほぼ同じ色。ランナーと解説書にウォータースライドデカールが付属。



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 このシリーズの特徴である履帯は1/35で多用されたベルト式一体型履帯から、直線部は一体化し誘導輪や起動輪に沿った曲線部を連結式とした物。一見作り難そうですが、ベルト式履帯では実際には金属でできた履帯の重みを出すために、意図的に弛みを出す追加工作や、社外品の金属履帯への交換を必要としますが、最初から弛みを付けた一体パーツなら組み込むだけで実感豊かな履帯の再現が可能。
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 ダイカストシャーシ内部には上面装甲を固定するビスの下穴に、ベースにねじ止めする場合の凹みも。クリスティー式サスペンションはシャーシ一体型で再現。
 
 Mk1型用機関銃塔の一体型パーツが付属し車体のビス止めを隠す蓋になっています。機関銃塔の有無で両バージョンを再現するコンバージョンキット。

 牽引用ワイヤーはなんとキットに再現用の紐が付属。細くて華奢なワイヤーの切り出しは慣れるまで折損の恐怖との戦いなのでありがたい。


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 解説書の終わりにはアップグレードの解説も。梱包物に資料的価値を持たせてくれるのもタミヤの優しいところ。組み立てた後も保管しておくと何かと勉強になるかと。

 そうそう、どうでもいいですが、インストに何か違和感があると思ったら、“作る前にお読みください”のオヤジが居ないんですね。タミヤっぽくて好きなんだけどなぁ…。


■組立
 さぁ組み立てます。MkⅠとMkⅡのコンバージョンキットなのでどちらを作るかですが…。せっかくだから!俺はMKⅠにするぜ!

 と言っても外見上の差は殆どありません。キットではパーツの入れ替えでバージョンを替える仕様で、もっとも特徴的なのが副砲塔の有無ですが、実際はある物ない物があるそうで、英国の戦車博物館「ボーヴィントンタンクミュージアム」館長デイヴィット・フレッチャー氏の著作によれば、決定的な差は砲塔向かって右側面にある横長のスリット、砲手用視認用スリットの周囲の補強枠の有無だそうです。細かい!

□足回り
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 足回りの作成から入ります。プラモは基本的に反復作業の繰り返しですが、戦車や艦艇は特にその回数が多いジャンルで、複数ある転輪や左右百数十枚ある履帯を一枚一枚ピンで連結するという、変なスイッチがはいてしまいそうな作業が待っています。
 ヨンパチシリーズも例にもれず足回りは大変ですが、一体化と連結の混合型履帯なのでその作業は大幅に省略され、転輪の切り出しぐらいしかありません。
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 転輪は右を切り出したあと、ゲート跡の位置を一カ所にまとめて接着し、二つ同時にヤスリ垳を行うと楽ちん。これもきちんとサーフェイサーを吹いて見えなくなる状態まで処理なければならないわけでありません。
 
 接地面に移動させて隠せば片側の処理は割と雑でもOK。ベルト式だと固定していないと何かのはずみで回転して見えてしまうのできちんと処理するか固定するのが無難です。後の塗装を考えてると、この段階で転輪の隙間にはラッカー系塗料を使って色を載せてしまうのが良いでしょうね。

□後ハメ加工
 ちなみに“うしろハメ”ではありません。履帯の組み込みですが、このまま付けるとスケールが小さく今回の様な缶スプレーによる吹き付け塗装では履帯と車体の隙間は塗装し辛いので、出来る限り簡略化できるよう足回りのパーツを後ハメにします。

 シャーシに説明書通りに履帯を張り付けて一体化パーツを作ってから、丸ごとべろっと剥がせるようにします。そこで一工夫。
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 これ!ターナーのゴールデングロスポリマーメディウム。これは絵具の艶出し剤で、性質は木工用ボンドとほぼ同じと思ってください。絵具の添加物なので最初は白濁状態から乾燥が進むと無色透明になり色に影響しなくなります。ジオラマで水等の表現に使っていますが、乾燥すると接着力がでるため接着や仮止めにも使ってます。要するに瞬着や専用接着剤だと剥せなくなるので、軽く固定できる程度の接着力があれば、木工用ボンドだろうが何でも良いです。今回は木工用ボンドが無かったのでこちらを使いました。 



 まず、アイドラーホイール(誘導輪)、ロードホイール(転輪)をグロスメディウムで仮止めし、スプロケットホイールを取り付け履帯を貼ります。局面から順番に作業するとやりやすいようです。
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取付が終わったら車体から分離します。この通り。複雑な足回りの一体パーツがべろんと剥がれます。起動輪にはポリキャップを組み込む仕様なので、剥すときは丁寧に起動輪から徐々に剥せば比較的簡単に取れます。起動輪の軸そのものが接着式なのでここから仮止めするというのも手ですね。今回はうっかり接着しちゃいました。 

□車体
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 車体の工作は車外装備品の取付が主な作業。やり方は色々あると思いますが、今回は装備品が少ないので、組んだ状態で細かく塗り分けようと思うので、このまま下処理をして取り付けてしまいます。取付には自前のピンバイス1㎜径で下穴を開けますが、実はダイソーのピンバイスでも十分なので「ちょっと予算が…」という場合はそれでも大丈夫です。かく言う私もダイソーでね・・・。
 
◇フェンダーの加工
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 フェンダーはキットでは分厚いのですが、実際はかなり薄い鉄板なので、これを薄く加工しメリハリを出してスケールを強調させますが、エッチングも無いですし、あっても高価で難易度も高いので自分で削ります。全体に全部薄く削るのは大変ですし、殆ど意味がありませんから、パーツの淵部分のみをカンナ削りで加工します。この作業で出るプラ屑は、もし余裕があったらジッパー付小袋にためておくと何かと便利です。古典的な手法ですが、接着剤や溶剤と混合して自作のパテ等に活用できます。

□砲塔
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 特徴的な鋲止め菱形砲塔。今回はMkⅠを作成するので、キット付属の防盾は、向かって右側のスリットに補強板のあるタイプを選択します。ハッチは開閉選択式ですが、今回は閉鎖状態で。解放すると別売りの戦車長を乗せないと内装未再現の車内が露呈するので、なるべく簡単に安くというコンセプトからも閉鎖でいきます。ヨンパチのフィギュアは塗るのがシンドイ。

 

■ディティールアップ
 気軽に作りたい時はやらなくてもいいですけど、ちょっと改造してみます。
□アンテナの取付
 砲塔のアンテナは省略されていますが、地味ながら一番目立つところなのでこれを再現します。再現方は色々あって、余ったランナーを炙って延ばしたり、真鍮線を加工する方法、アフターパーツを使う等等ですが、今回は一番手間のかからない真鍮線で作ります。線は少し大きめのホームセンターなら模型に使える0.3や0.5㎜径の物があるのでそれを使います。作業が終わったら後の工程を考慮し、Mr.メタルプライマーを塗布します。無ければないで問題はありません。サーフェイサーでも十分食いつきます。
 使ったのはホームセンターの針金コーナーにあった0.27㎜真鍮線。1ロール200円ぐらいだった思います。癖が付いていて写真の様に真っ直ぐできないよ!って思われるかもしれませんが、走行状態を再現すれば良い気がします。走ってる時にミョンミョン揺れてますし、動きが出るのでいいんじゃないですかね。
 
□機関銃の銃口
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 次に閉鎖状態の砲塔同軸機関銃の銃口を開口します。こういう部分に手を入れると小さい物がより小さくなりスケール感が強調されます。

 専用のピンバイスを使っても良いのですが、極細径を用意するのは手間なので、デザインナイフで代用。軽く先端を突き立てて、力を入れずにくるくる回すとすり鉢状の穴ができます。力むと切先が折れたり、滑って手を刺すのでご注意を。



□サンドシールドのラック取付
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 北アフリカでのクルセイダーには、サンドシールド(サイドスカート)部分に鉄板のレールが取り付けられています。これは装備品を吊るしたり野営時にテントを張るのに活用されたそうですが、キットでは付属されておらず、追加工作のオプションとしてインストで加工方法が紹介されているので、その指示に従って追加工作してみました。


 使用素材を0.5㎜プラ板の指示ですが、ちょっと分厚過ぎるので約半分の0.3㎜プラ板でスクラッチしています。それ以上薄いと作業がしにくいかもしれません。
 現地で乗務員が自分たちで取り付けたそうなので、粒ぞろいの工作ばかりでは無かったようです。実物の写真でも吊るすための帯板の長さがまちまちだったり、レールから縦板が飛び出ていたり取付位置も前後しているようなので、説明書に近い状態を目指せば十分な気がします。
多少たわんだりするかもしれませんが、歪んだり曲がったりしたはずなので気にしなくても良いかと。

 
□予備燃料タンクの取っ手
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 車体後部の予備燃料タンクの左右にはプラ一体型の耳が付いていますが、実車では細長い取っ手なので、これを0.3㎜真鍮線に置き換えました。元のディティールを削り落としてペンチで曲げた真鍮線を下穴に差し込んで固定。無理にやる必要は有りませんが、目につく場所なのでやると効果は大きいですね。

□ダメージ加工
 ダメージ加工は必須ではありませんし、仕上げ方次第では必要無い場合もあります。ここではラジオペンチでフェンダーを少し歪ませたり、サイドレールを歪ませたりしています。 

■塗装準備
 サーフェイサーを吹きます。マスキング無の缶スプレー塗装ですから、サーフェイサーは無くても大丈夫だと思いますが、念のために使用しています。何よりグレー一色なのが大好きです。
■サーフェイサー
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 缶スプレーはとても濃い塗料を高圧で吹くため塗膜が厚くなりがちです。今回は缶スプレー塗装主体ので、塗膜が厚くなるとせっかくのディティールも台無しになりかねないので、できるだけ薄くなるように粒子の細かいMr.サーフェイサー1200グレータイプを用意しました。個人的には1000番でも問題ない気がしますけど。正直、割とどうでもいいです。

 よく使うのは金属パーツにも対応するタミヤのスーパーサイフェイサーか、安価なMr.サーフェイサー1200か1000。金属パーツを使っている場合はメタルプライマー入りが理想的ですが、今回はメタルプライマーを塗布しているので特に気にしなくても問題なし。またサーフェイサーの吹付けと本塗装の吹きつけは全く同じなので、練習がてらやってみるのがよいと思います。今回は塗り方について質問があったので解説しておきます。

 缶側面の取扱い説明にある通り、十分換気をして適度な距離(記載はおそらく15~30cm)を取って、一度に吹かず2~3回に分けて吹きつけるのがセオリーです。初めての方はできるだけ従ってください。寄せまくって塗る方法もありますが今回は省略。
 
 試し吹きをして塗料のコンディションを確認してください。サーフェイサーなので見えない車体の底部や、適当なダンボール箱やキットの空き箱の裏等でやります。またこれは減圧の効果も多少あります。夏場は特に。

□一回目
 距離は近づけすぎたり離しすぎたりしなければ、15cmでも30cmでも塗り易い距離でいいです。近すぎると塗料が厚く乗り過ぎたり、ガス圧で波紋が出来たり垂れます。距離があり過ぎると表面に凹凸が出来るゆず肌の原因となります。ゆず肌を意図的に起して鋳造表現をする方法は以前にご紹介しました。

 吹き付けは塗りにくいところから先に塗り、今回はシャーシと足回りの隙間やフェンダーとサイドスカートの裏側等です。少し近づけて軽く吹き付けて色を載せます。フェンダーとサンドシールドの裏側は見えなくなるので雑でいいです。終わったら塗り残しの部分に塗料を載せます。この段階で無理に全て塗りつぶさないようにして塗り斑がある状態で止めます。ラッカー塗料なら約30分程度自然乾燥させます。焦ってドライヤーや電気ストーブで乾燥させたりしないでください。ひび割れやゆず肌の原因になります。とにかく焦ると失敗。

□二回目
 一回目と同じ手法で塗り斑をなくすように塗ります。全体的にウェットな状態になったら塗装を止めます。この段階でまだ塗り斑がある場合は三回目に回します。また30分自然乾燥させます。まだ塗り残しがある場合は同じやり方で三回目塗りします。48だったらほぼ必要が無いと思います。塗り終わったら最低丸一日乾燥させます。

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 おそらく塗った直後の塗膜では、リベットの周囲等のモールドが表面張力によって埋まってみるかもしれませんが、溶剤が抜けてくると平滑な面に引っ張られてディティールが浮き上がってきます。この時点で動転して慌てて手を入れるととんでもないことになるので、基本的に安定化させるまで次の作業には移らない方が無難です。

 

■基本塗装
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 指定色のタミヤラッカースプレー「TS―46ライトサンド」を使います。これはデザートイエローやダークイエローよりも明るい色で缶スプレーでのみ出ている塗料です。実際の塗装はサーフェイサーと同じなので省略致しますが、金属の地肌が露出する履帯部分や転輪の周囲は後で専用色を塗るので無理に色を載せる必要は有りません。クルセイダーに使われたこういう砂色は通称「ライトストーン」と呼ばれていたそうです。

□塗り分け:概要
 次は細かい装備品塗り分けをします。前回の塗装でラッカー塗料を使ったので、次は下地を冒さず修正が容易なアクリルやエナメル塗料を使って筆で塗装していきます。筆は模型店にある500円ぐらいのセットを一つ買えば十分です。自分はなければホームセンターの一本200円の面相筆と平筆とかを使っています。
 

□塗り分け:転輪
 転輪の周囲のゴムタイヤの塗り分けます。汚しをかけるので色の境がボケますからここはあまりキチっとやらなくてもいいのです。また組み合わせた転輪の裏側は影を演出しても良いでしょう。筆塗りの一つの鬼門はこのゴムパットの塗分けかもしませんね。使った塗料はタミヤの新色「ラバーブラック」

□塗り分け:履帯
 履帯の塗装にはタミヤアクリルの新色「XF-85ダークアイアン」を使います。低光度のメタルカラーなので、調合して自作しても良いかと。履帯の塗装で転輪の塗り分け時にはみ出した色を塗りつぶしてしまいます。

□塗り分け:車外装備品a0087449_413663.jpg
 車外装備品の塗装にはエナメルを使います。まず斜体の装甲と接する部分に一段暗い色を作ってエナメルで影を塗装します。多少はみ出して車体に塗料が付いても気にしない。最後に溶剤を染ませた綿棒でふき取ります。
 次に表側をアクリル塗料を使って塗り分けを行います。木材部分にはできれば面相筆で木目を描き込んでやるとらしくなるかと。ラストにエナメルカラーのクリアオレンジにアースを混ぜた着色ニス色を塗って完成。

□ドライブラシ
 ディティールを際立たせるためドライブラシという手法でエッジを立ち上げます。筆に採った塗料から水分を殆ど除去し、筆先を擦り付けるようにして行う技法です。
 よくエッジを白くするのだと勘違いしている人がいますが、実際には下地の色から一段から二段階ほど明るい色で明度を上げるものと思ってください。今回はライトサンドで黄色系なのでバフ辺りが丁度良いと思います。ボルトの頭などの細かいディティールが浮き出てきます。あくまで模型的な誇張なのでやらなくてもいいかと。
 
 履帯にもドライブシを施します。ここは金属色を使い、摩耗して地金のフレッシュな部分が露出した状態にします。使用したのはMr.カラースーパーシルバーとタミヤカラーメタリックグレイです。スーパーシルバーは粒子が細かく綺麗ですが、遣り過ぎる際が立ちすぎることがあるので、そういった場合にはメタリックグレーでトーンを落としたり、色味違いを演出するとらしくなるかと思います。この段階で履帯の削れた場所が更に錆びたたような時間の経過も再現するとより見応えが増すと思います。
■デカール
 基本塗装が終わったらデカールを貼ります。完全なマット地でなければ缶スプレーの塗膜は結構平滑なので特に必要はないかもしれませんが、タミヤのマークセッターを使いました。車体側面のマーキングや車体番号等はデザインナイフやカッターで一部を削ったりするとらしくなります。十分乾燥させてからクリアーでオーバーコートします。

■汚し塗装
 缶スプレー塗ってそのままでは均一すぎてかなり物足りない状態です。本来なら塗膜を幾重にも重ねて相乗効果を狙う複雑な作業工程が全て省略されているからです。ただ、戦車博物館などに展示されている車両は、レストアされて綺麗に整備されている物も結構あるので、そういった車両の風合いで展示ベースに固定して仕上げると展示品のミニチュア風でそれはそれで遊び心があって良いと思います。ただ、今回は使用感のある車両を目指すので汚しを加えてより見応えのある状態にします。


□チッピング  
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 衝突等で出来る塗装剥げ等を再現します。使用する色はタミヤの新色ダークアイアン。
□ウォッシング
 エナメルカラーのブラウン、ブラック、アース、バフ等を調合して作った焦げ茶を溶剤で泥水ぐらいの5~6倍程度に希釈して洗うように塗ります。
□錆び汚れ
 北アフリカとは言え全く水分が無いわけはないので、これらで生じる水垢や錆汚れをエナメル塗料で再現します。金属の接合部や稼動部品の連結箇所、衝突で発生した傷の周囲等を中心的に施し、ウォッシングで使用した塗料でボカシながら伸ばします。
□ウェザリング
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 ウェザリングには黄土色、レンガ色、こげ茶色、オレンジ、黒、ねずみ色のパステルを使用し、足回りの砂埃や乾いた錆汚れ、エンジン廃棄の煤等を再現。溶剤に解いたペーストで泥汚れ等を再現しても良いかと。やり過ぎるとケバクなったり逆に平面的になったりするのでご注意ください。砲口部分はシャープペンの芯を削った粉末でウェザリング。
□スミ入れ
 ウェザリングで若干埋まってしまったモールド等に墨を流して修正しておくと良いでしょう。使用したのはウォッシング用塗料です。

□トップコート
 最後に艶消しになるようトップコートを使っても良いかと。今回はウォッシングとウェザリングの間にトップコートを挟んだので省略しました。どうにも全体に仕上げた後に白っぽくボケるのが好きじゃないのでウェザリングを最終工程にして居ることが多いです。

 自作のミニ展示ベースを取り付けて完成です。どうしても色プラによる色再現が無いだけ手間が掛かりますし、キャラクター物のようなフィギュア的解釈やカーモデルの様なミニカー的のような美しい仕上げが似合わないジャンルだけあって、組み立てて基本塗装して「はい、お終い!」というわけには行きませんね。




BRITISH CRUISER TANK MkⅥ
"CRUSADER MkⅠ"

 “クルーザータンク”とは巡航戦車の事。軽装甲高機動をコンセプトに旧騎兵隊戦術を担う追撃用戦車だった。あらゆる任務を兼務する汎用性の高い現代の主力戦車とは違い、とにかく足の速さが求められた。
そんな要求を元に作ったものの、直ぐ戦争が始まって碌な準備も無しに量産化。次第に詰めの甘さが露呈しボロが出始める。あらゆる場所で改良に次ぐ改良を重ねられながらしぶとく戦い続けた。

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 アメリカの天才発明家ジョン・ウォルター・クリスティーの考案した装輪走行可能なクリスティー式サスペンションを採用したが、複雑なあまり車輪走行機能は廃止。エンジンはハイパワーでドイツ軍も驚愕の43km/hを叩きだしたが、装甲は薄く、「当たらなければどうと言うことはない!」を地で行く戦車だった。
 
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 高速を実現したエンジンは2ピース構造の鋳鉄シリンダーがボルト止めだったため、悪路の振動で緩んですぐオイルが噴出して止った。後で更に加速するため乗員が勝手にスピードリミッターを外したことで更に故障が続出してとにかくトラブル続きだった。「36時間トラブル無しで回ったら真の奇跡」とまで言われた。

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 装甲厚を稼ぎながら被弾経始性を高め、車高を低く抑えることに貢献した特徴的な菱形砲塔は、一見珍妙なデザインながら未来的なシルエット。横に広いので車内の作業効率は良いらしい。ハッチはバネで楽々開閉するものの、ロックが甘いとはずみで勝手に開いたりしまったりする。頂点中央のパイプを切りつぶしたような突起は潜望鏡でグルグル回る。
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 カッコイイ砲塔も後のMkⅡ型では、装甲強化に伴う大型化で旋回すると機関銃塔に干渉して回らないため角を削った。まるで日曜大工で作ったドアみたいだ。
 英軍の戦術に則り、走りながら発砲する行進間射撃を強要されたため、搭載された火砲にはジャイロ的な物が用意されたが、砲手が照準器付属の肩パットに密着して人力で安定させるという代物だった。
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 当時の設計思想が垣間見える副砲塔には、近接戦時の掃射用機関銃。が、アフリカでは狭くて暑苦しいので途中から廃止。機動戦主体の巡航戦車ではそもそも役立たなかった。歩兵の駆逐は榴弾の発射を含めて別の戦車に丸投げした。
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 幅が狭く接地面の狭さから高速走行に適したものの、悪路では逆に食い込む履帯。とにかく問題だらけだったため、当の英軍戦車兵たちはレンドリースで供給されたアメリカのシャーマンやグラントに憧れたらしい。
 ちなみに戦後の英軍は火力と防御を優先し足の遅い戦車を作り続けたが、途中でスピードに対する欲求を抑えられなかったのか、スコーピオンという超高速戦車を作りラジコンカー並みの快速振りを披露したが、一般で一瞬話題になってすぐに消えた。みくろにあ帝国しかり、王政や帝政の国はスピード狂が多いのだろうか。
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 以上です。全然簡単じゃねえよ!って気もしますが、全塗装が前提となるとどうしても費用がかさみますが、使う塗料の種類や塗り方次第と言ったところでしょうか。マスキングをしないのであれば、缶スプレーが一番簡単だと思います。ではまた次回にでも!
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Commented by moeru_otoko at 2013-12-11 01:02
日曜大工で作ったドアわろたwwww。
Commented by さんぼ at 2013-12-28 17:21 x
>燃える男さん
クルセイダーには、カヴェナンターという、砲塔やサスペンション等多くの構造を流用した見た目ソックリな兄弟分が居て、それと並行して開発がすすめられましたが、クルセイダーに至っては一号車の完成までたった数週間の短期間で納車されたそうで、英軍と開発陣の慌て振りをうかがい知ることができます。
 英軍としてはとりあえず初期型=試作、実戦=試験という過程で実践検証を得ようとした結果がこの有様だったようですが、乗せられた戦車兵たちはたまらんかったでしょうね
Commented by mikuron at 2014-01-13 14:37 x
スピード狂ワロタwwwww

あと塗装がうまくて何時も感心します
Commented by さんぼ at 2014-01-17 22:25 x
>殿下
>スピード狂
ミクロニア帝國産のACはどれこれもめちゃくちゃ速かった気がする。

>塗装
あれやこれや塗り重ねたらどんなことやってもそれなりになる気がしてました。
by sanbo_cho | 2013-11-25 04:09 | 模型 | Comments(4)

ひたすら模型*製作代行もやってます!


by さんぼ@塗装済完成品売却・納品完了