皆がどういう風にオレンジを食べているのかが謎

濡れた流木も表皮を削れば内側はブラックサンボです。どうもこんにちは、こんばんは、ドーブロエウートロ!キン肉マンレディーに一つだけ文句を言うなら、もうちょっとだけマッチョにしてほしかった!


 模型を作ったので上げておきます。モビルスーツが続いていますので、今回は車両を作りました。実はガンダム系でもブラッドハウンドなんかがあるんですが、ちょっと高価すぎておいそれと使えないのでなかなか作る勇気が湧いてきません。作りたくて買ったのに高いから勿体ないって変な話ですけどね。今回作ったのはこちら!


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田宮MMシリーズ 1/35スケール
M113A2 ACPデザートワゴン



 アメリカ陸軍が長年に渡って運用を続ける息の長い装甲車です。米軍と言えば装備の更新が著しい事で有名ですが、M113はベトナム戦争以来アップグレードを繰り返して使われ続けています。歩兵を、装甲付の車両に載せて機動力を上げる“機械化”を推し進める上で生まれた一両で、兵隊を戦場へ送り届ける戦場タクシーということで“バトルタクシー”と呼ばれました。非常にシンプルな構造から信頼性や生産性も高く、現在でも世界中の多くの軍隊で活用されています。
 リドリー・スコット監督の映画「ブラックホークダウン」にも登場して活躍した際は、その簡素な武装と、箱型に組まれたシンプルな車体デザインが際立ちました。

 1/35というと戦車が主役のように思われがちですが、このような装甲車も非常に魅力的です。今回は諸般の事情により、あまり凝った改造等はしていないので、キットレビューとしてお楽しみください。非常に古いキットですが、時代を考えるとかなりいい出来だったはずです。






■キットチェック
 ボックスアートは白い背景に車両のイラストという現行デザイン。タイトル字の中にウッドランド迷彩を施した小さいM113がどことなくカワイイです。プラモデルと言えば、この箱絵にウキウキします。特にプレゼントの包みを開けて格好良いイラストが顔をのぞかせると本当に「良い物貰った!」感じがしたものです。この写実的なタッチがなんとも大人っぽかったんですね。今でもプラモ屋に行けば、その時の高揚する気分を異常な程圧迫感のある店で感じることがありますが、皆さんはいかがでしょうか。
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 中身は70年代に発売された旧型のキットに、アップデート御のA2型再現用のパーツと、最新の“現用車両装備品セット”付属のランナー1枚を追加して、元々あった後部キャビンの内部再現用パーツをキャンセルした物の様です。同社のブラッドレーODSと同じですね。

 よって新型装備のドライバーとコマンダーに加えて子犬ちゃんが付属しています。別売りアクセサリーキットのランナーが丸ごと入っているので、豊富な荷物を積むことが出来ますので、パーツ取りとしても優秀です。CIPパネルが余分に入っていたりするのはこのためですね。

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 選択可能なバリエーションは、イラク戦争に参加した第三機械化歩兵師団と、コソボ紛争に介入した機甲師団の二種類です。どちらも同社発売のM1045ハンヴィーTOWランチャータイプやブラッドレーODSで再現できる部隊と同じ物なので、組み合わせることも可能です。多少の考証は必要でしょうけど。今回はBタイプを作ります。

 イラク戦争にも行った新しいタイプなので、コマンダーズハッチ周囲には、狙撃から乗員の身を守るためのガンシールドが付属されています。ハンヴィーを買った時の話ですが、ガンシールドを付けたいと思ったらボイジャーのエッチングセットしか手に入らずに「キットがもう一個買える…」と嘆いた覚えがあります。「品切れだから注文したら一か月後だぜ!!」って言われたので止めました。海外メーカー品故に仕方ないのですが、一ヶ月後は流石に無理です。

 このキット最大のネックですが、多くの設計は70年代のままらしく、パーツのバリやパーティングラインが最新のものに比べるとかなり激しく、金型が一部ズレているところもあってすんなり組み立てるのは難しそうです。とは言っても、タミヤさんは他所と比較すると随分と親切なので、こんなものと言えばこんなものです。

 次の難所は履帯で、タミヤお得意の一体型軟質素材のベルトパーツ。ご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、古いシリーズは接着出来ないために、未だに焼止めと呼ばれる方法で接合せねばなりません。ところがウッカリしてました。これがまさにそれだったのです。素材だけ最新キットで使われている接着可能な仕様に変えてあると思ったら違いました。
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 しかも出来が悪く、正面と背面以外の殆どが隠れてしまう接地面側のディティールは再現されていますが、転輪と接して常に見える部分細かなディティールは現されていません。これでは流石によろしくないので、このようなサードパーティー製に交換しようとおもいます。

 ちなみに、この部分をついキャタピラと呼んでしまいますが、キャタピラはアメリカのキャタピラー社の登録商標で、これ自体は履帯や無限軌道と呼びます。キャタピラー社は工事現場でもおなじみの黄色のパワーショベルのアーム部分に、「CAT」と書かれたのを目にすると思いますが、あれが天下のキャタピラー社です。泥運びをする手押し車を“ネコ”とも言いますが、何ら関係ありません。まぁキャタピラで良いんじゃないでしょうか。


 焼止めと言えば、僕らの七日間戦争を見た後に買ってもらった61式だったかの履帯を焼き切ってしまった苦い思い出があります。たぶんウチのブログ見てる人でこの話が通じる人は一人もいないんじゃないかって気がしますが。ペンキを被って凄い色になってた奴ですね。

■組立
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□足回り
 同じ作業の繰り返し、最初の関門が転輪製作です。切り出したら左右転輪のゲートの位置を合わせて組立て、まとめて一気にヤスリがけをしてしまいます。焼止め式の履帯は履かせてから溶接するより、溶接してから注意深く履かせた方が安全ですかね?今回はやりませんけど。
□ランプゲート
 キャビンの兵士が乗降するランプハッチは開閉選択式ですが、中身が再現されていないので、今回は閉鎖状態を選択します。後部キャビンが全面開放されるテイルゲートも開閉選択式ですがが、同様の理由で接着してしまいました。
□車体
 ドライバーズハッチとキューポラが開閉選択式なので、真鍮線で自作した接続ピンを使って可動化しました。50口径機関銃の閉鎖された銃口は開口し、弾薬箱の底をパテで閉鎖しました。更に省略されたトリガースイッチも0.2㎜プラ板から製作して追加しています。
また、車体上面のアンテナが未再現なので、アルミパイプと伸ばしランナーで再現しました。キューポラにガンシールドを付けたいところですが、今回は未装着タイプを再現するので我慢ですね…。どうせ撤退の頃までにはつけてたはずなので、付けちゃってもいいんですけど。

□履帯
 前述の通り、一部のディティールが省略されているので、社外パーツに丸ごと交換します。そこで用意したのが、モデラー御用達のモデルカステン製履帯セットです。やる前に一言言わせて下さい。

「バカだねぇ!(タモリ風に)」


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 ご存知の方も多いでしょうが、このセットは実物同様に履帯のパネルを一枚ずつピンで連結するという、まぁまぁ頭のネジが緩んでいる製品です。二度に渡ってタミヤの1/48でその片鱗をご紹介しましたが、これがあの悪夢の作業を必要とするキャタピラのキットです。
 ただのキャタピラが入っているだけで2500円もしますが、高級品だけあって出来は抜群です。履帯のパネルとゴムパットも別パーツになっていて塗装も楽ちん。組立作業も二本のピンで履帯を繋げていくだけの簡単作業。使ったパーツ数はたったの500点!10時間ぐらい椅子に座っていると完成します。ホント、バカだねぇ…。


■塗装
□サーフェイサー
 下地塗装は金属パーツにも対応したタミヤサフ瓶入り。

□基本塗装
 塗装はタミヤカラーを調合して使用。デザートイエローをベースにしましたが、今一つ決定的な色になりませんね。Mr.カラーのタンが一番近いんですかね。
 黒とジャーマングレーを半々で合わせた塗料で影塗装を行い、車体カラーを吹きつけて、側面、上面でそれぞれ明度を変えて終了。デカールを貼って乾燥したら艶消しクリアー吹いてコーティング。

□バトルダメージ
 M113の装甲は鉄では無くアルミで出来ています。塗装剥げにはタミヤカラーフラットアルミを使用し、面相筆とドライブラシで塗装。イラクへ持って行った車両はNATOグリーンの車体に砂色を重ねて吹いた物が多く、下地から露出している事があるので、それも再現しました。
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□汚し:泥水
 水溜りに入って飛び散った泥を塗装で再現。ダイソーのスポンジを小さく千切って軽く塗料に浸し、叩き付けるように塗布。デザートイエローやバフ、ミディアムグレイと色を変えて見ました。

□汚し:泥
 足回りにこびり付いた泥を再現します。今回はタミヤのウェザリングマーカーと、パステルの粉末にアクリル塗料を混ぜたペーストを使用して筆で叩くように塗りつけました。
□汚し:ウェザリング
 被った砂埃はタミヤエナメルカラーをエアブラシで吹付け、足回りに付着した埃はパステルの粉末で再現しました。というわけで完成です。



M113A2 ACP DESERT WAGON

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 装甲はアルミで軽量、水上走行も可能で大型輸送機で空輸もできることから、戦車も来てないのに戦場に一番乗りする事も多いんだとか。シンプルなので生産性も信頼性も高く、世界各国で未だに使用されている装甲車のベストセラーとなり、最も広く使われた装甲車だそうです。初陣はベトナム戦争。ランボーも載ったことがあるはず。
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 車体後部のキャビンは、屋根が開いて箱乗りしながら戦闘ができました。まぁアルミが故に、高温のガスをまき散らす成形炸薬弾を食らうと燃える上に、下からの攻撃に脆弱なこともあってか、後部キャビンに載る歩兵は床に土嚢を敷き詰めて屋根に乗ることも多かったそうで、イラク戦争で大きな的になりたくない兵士は降りて戦ったそうです。
 
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 固定武装はこれまたお爺さん装備であるブローニングM2重機銃が装備されています。通称マデュース。これを4挺束ねた機銃はミートチョッパー。肉切り包丁にハンバーガーヒルだのなんだのってまぁ…。上体を晒して撃つので、もぐら叩きよろしく出たところを狙撃されるため、対策に周囲を鉄板で囲ったシールドをつけると、今度は手榴弾を投げ込まれるので、屋根をつけたりと現代戦でも苦労が絶えません。
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 あまりに優秀なので、軍用以外でも活用され、青く塗られてSWATチームに、武装を撤去され、便所のタオルのような薄緑色に塗られてNASAでも活用されているそうです。
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 有人飛行の打ち上げでトラブルが起きたときに、飛行士を退避させるために使われるんだそうです。NASAでも使う!と言われると「おおーなんか過ごそう」って思うのは世代なんですかね?
 
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  色々作ってきましたけど、装甲車が一番のお気に入りかもしれません。非力な武装ととりあえずな装甲、それでいてゴチャゴチャでワクワクしますね。兵隊との絡みから広がるストーリー性もさることながら、単体でも戦車に負けない見応えがあってとても好きです。あえて兵隊を配置せずにぽつーんと佇む姿が結構好きですね。それではまた!
 
 
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Commented by ポックリさん at 2014-11-19 16:54 x
まずパーツ数500の履帯にひっくり返りそうになりました。MGガンタンクの履帯ってある意味贅沢品の部類なんですね。

実際の車両についてよく知らなかったので、現行型の写真を見ながら拝見したのですが、イラク駐留部隊の写真と砂汚れ具合がそっくりで驚きました。爪でひっかくどころかスチールウールでガシガシやらないと落ちなさそうなこびり付き具合がいいですね!

写真を眺めてて、もう一段階色味の濃いパステルを足回りにまぶせばいろんな地質を走破したっぽくなるかな、と思いましたが、全体的な汚れ具合の広がりに手抜きがなくて素敵です。見習わなきゃ……(使命感)

追伸:久々にブログ更新しちゃいました
Commented by sanbo_cho at 2014-11-20 04:55
>ポックリさん
>履帯
ガンプラで、よりによってガンタンクでやる価値がどこまであるのか甚だ疑問ではありますが、もし一体成型だったらと考えれば、こだわり派があのパーツを分割して可動化する必要が無い良い時代になったと思いますねぇ。しかもそんなに高価ではないわけですし。
 
>実際のM113A2
 恐らく、ポックリさんがご覧になった写真の中に、今回使用した資料と同じ物が結構混ざっていると思います。
 今回は大隊本部付の車両で、首都制圧してしばらく経過した頃の具合を再現したので、傷み具合も軽微で個人装備なんか山盛りになっていませんが、後で更に強化して悪魔城みたいになったタイプも作ってみたいところです。
 足回りの汚れは、もっと生乾きの泥とも砂ともつかないような状態の色を入れても良かったですね。水たまりに入ったあとしばらく走ったような少しウェットな感じも面白そうなので只今研究を重ねております。作りながらいつも思うんですが、現代戦の雰囲気って難しいですね。

>更新
 おお!ついに更新ですか!後で拝見いたします!
Commented by ポックリさん at 2014-11-20 22:25 x
まずは当方の記事をご覧いただき恐縮です。早速作っちゃったテヘ。

>ガンタンク履帯
一応組む必要はあるようですが、ランナー内にきれいに揃っていてパーツ数も70個程度のようです。さすがバンダイといった感じでしょうか。

>M113A2
僕が見たのはイラク国旗にアラビア語で何か書いてあるタイプの車両でしたので、時期的には制作されたものとさほど変わらないと思います。
 ウェットな泥汚れですが、クリア塗料に適当な色の砕いたパステルを溶いて塗るというのはどうでしょう? 素人考えではありますが……。
 悪魔城デザートワゴキュラ状態になったバージョンものんびり期待してます!

>現代戦の雰囲気
そうですね……米軍の場合、長いこと兵器が更新されてないのに戦場と付属品がコロコロ変わるっていうのが大きいのかもしれませんね。時代感を(付着物含む)付属品で表現しないといけないわけですし。
Commented by sanbo_cho at 2014-11-25 02:15
>ポックリさん
>ガンタンク
折角の可動式(?)履帯ですから、その仕様を生かすことができれば嬉しい仕様ですよね。流石にキットと同じ値段を支払ってまでやろうなんて気は、普通はなかなか起こらないでしょうしから。
>M113A2
とりあえず、アクリル溶剤に明度の低いカーキやタミヤのRLMグレー等を希釈し、そこへパステルを調合して履帯の一部分にウェザリングを施してみました。それ以外の場所にも汚れの度合いに合わせて軽い色で乾いた砂を再現してウェザリングし、これら二つの表現に合わせるように車体にも泥汚れを追加してバランスを取りました。また頃合いを見て撮影した物に差し替えておこうと思います。

>現代戦
普通の人はエアコン付の宿舎で兵隊が寝泊まりして、X箱のGTAで遊んでるなんて想像できないでしょうからねぇ。それを手に取って感じ取って貰えたらいいなぁと思ってます。
by sanbo_cho | 2014-11-13 23:32 | 模型 | Comments(4)

ひたすら模型*製作代行もやってます!


by さんぼ@塗装済完成品売却・納品完了