ペペロンチーノ考えた人は天才

アッケシソウの葉と茎には多くの、さんぼです。こんにちは、こんばんは、マガンダンハーポン!友人が結婚したので、宴席にご招待して頂き、良い時間を共有させてもらえました。おめでとうございます!


次回は模型ですが、今日は模型じゃなくて「ドールハウスの話」です。

 姪っ子がシルバニアファミリーのリス一家を買ってもらうのに合わせて、祖父母たるウチの両親がお家を買ってあげるつもりらしいのですが、やたら豪邸を買いたがります。

親の意向を踏まえた上で

「こんなもんは家どころか、
裸一貫の畑は畝一本から!と相場が決まっておるのだ!」


と説得しても、未だに豪邸の魅力を主張しております。


万年七歳児故に解らんでもないですが、大物に憧れながら少しずつ買い足すのが良いと思うんですよ。ドラマティックなアメリカンドリームって大体そんな感じではありますまいか?


まぁ、リス一家の長女がしわくちゃの老婆になる頃、念願の豪邸のポーチで年季が入った長椅子に座り、ペンの様に細い葉巻と琥珀色に半分染まったグラスを手に語る様なエピソードが生まれるぐらい苦労して手に入れた方が、教育的に良いに違いないです。







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―木の実を売る日々を捨て、夢を信じて渡ってきたとき
私らの持ち物は一本のクルミの木と畝だけだった。
広大な土地と華やかな街に恋い焦がれたが
所詮は無限の荒野の遥か彼方に浮かぶ蜃気楼だったのさ―


肺に腫瘍が転移したので語り口は遅いが、その鋭い目は全てを見ていた。

「なんとか広げた農地も万年不作で金が無かった。兄が父と母を手伝ったが、それでも足りず、同じことの繰り返しに嫌気がさした私は、直ぐに金を貰えて冒険も出来ると聞いた軍に入った。18だった。8歳の子が書く作文すら書けやしないのに―」

ふと長い前髪をかきあげると左目の覆う黒い眼帯が現れた。その傷は敵が放った凶弾によるものだ。

「酷い場所だと気付いたのは、基礎訓練が終わる頃にシャワー室でレイプされかけた時だ。憲兵が居なければどうなっていたか解ったもんじゃないね」

彼女はむせながらも笑って続けた。

「とにかくろくでなしの集団さ。だからって家には帰れないし、戻りたくない。行き場所が無いならこのままじゃダメ。強くならねば!私はそうして空挺コマンドになると決めた。死ぬほど努力したが、貧乏田舎娘の浅知恵だ。行った先は更に古臭い男の縦社会だった。女は目の敵にされる」

選り抜きの精鋭たるコマンドへの道は苦難の連続だった。同じように男に勝とうとした者が他にいたが、ある者は激しい行軍で骨盤を骨折し、ある者は力を示したが、妬みで腕や脚を折られた。

選抜課程の最終段階、フェーズ4に残った彼女は違った。男に勝とうとはしなかった。戦場で一番怖いのは敵でも銃弾でもなく「孤立する事さ」と言って比喩気味に続ける。

「体の構造が根本的に違う。背は低いし非力だ。背比べでも陰に隠れてしまう。声の迫力も違う。大よそ兵隊に向いていないのだろう。腕力で立ち向かっても勝ち目がないなら、男の前で一緒に並べば良い。後ろの連中も見通しは良い。非力なら組み合う前に急所を突き、声が小さいなら最初から黙ってやればいい。うまくやれたら、それが一番」

玄関の壁に掛かり記念品や徽章の列に見慣れぬ物がある。三ツ星の胸章だ。

「斥候はどうか?それが結論だ。斥候は三つの意味がある。偵察、奇襲、追跡。静かに忍び寄って状況を探り、油断した隙を突き、逃げる者を追う。これなら大男より小柄な女の方が目立たない」

前進する味方に先駆けて前衛に配置された最も危険な部隊で、矢面に立ち続けた証が「陸軍最上級戦闘斥候章」だ。空挺コマンドを表す「戦闘降下兵章」と合わせ持つ者は軍の一割以下しか居ない。

「編成が始まった時に中隊長が言った。『偵察小隊に志願する者は?』。誰も居なかったから大尉は困った顔をしたが、私は真っ先に手を挙げた『“命知らず”の小隊なら!』と。すると私に続いて次々と男が群がってきたさ」

徽章の三つの星は軍が認めたとりわけ重要な戦いの数に比例したが、彼女が従事した作戦全てを合わせればその20倍を軽く超える。

「お陰様で何度目かの戦いで顔の左半分を吹っ飛ばされかけた。待ち伏せさ。民兵が隠れる街の中を進んでいた時だ。物陰に入ると、丁度仲間に呼ばれて振り向いた。そしたら凄い音がして顔を引っ叩かれたようになった。狙撃兵の撃った弾丸が、私が身を隠す柱の角を抉って砕けた。その被帽の破片を顔に浴びたのさ」

敵は倒れてもがく彼女に更に一発撃ちこんだらしい。

「容赦がないね。逃げられないようにしたかったんだろう。次は右胸をバットでぶん殴れたような衝撃が襲った。防弾パネルが無い所で心臓に近いから今度こそ死んだと思った。だが、それで助かった。右胸のポーチにスチール製の空弾倉を二個入れていて、弾を止めた。脚を撃たれていたら、筋肉以外に遮るものが無いから、太い動脈を切られて20分後にはあの世だったろう。敵が間抜けで助かったよ」

彼女は三つ目の星を手に入れた思い出を楽しげに語ったが、九死に一生を得た元落下傘兵も今は残り数か月の人生だった。

「私の命は拾い物、そんな風に思って今まで大切にしてきつもりだが、もういいだろう。確かに銃も撃った。飛行機から飛び降りる無茶もやったし、その間に色々失くしたが、兄が遺した農場と家は立派にできた。朝から酒と煙草を死ぬほどやるぐらいは許されるだろう?」

誰も知らなかった過去を語った十日後、彼女はこのポーチで息を引き取った。

結局、除隊後の生活と農場や家について何も語らなかったのは、その必要が無かったからだろう。刻まれた時間の大部分は私や母と共にあったのだ。



みたいな!

「緑の丘の素敵なお家」とか全くの別物に見えてくるはずです。


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Commented by ポックリさん at 2016-12-03 10:48 x
シルバニアファミリー+画像直下の文章+さんぼー氏の妄想で=Cat Shit One的なアレかと思ったらやっぱりCat Shit Oneだった。

あえて言わせていただけるのなら「ドールハウスの話」って多めに見積もって5行くらいしかなかったような……アッハイ、ドールハウスのお話です
Commented by sanbo_cho at 2016-12-09 17:32
> ポックリさんさん
こんばんは、歩く出オチです。
どっちかっていうと「のらくろ」ですね。

同じだバカモノ!とか言わないでっ
by sanbo_cho | 2016-11-27 18:04 | 雑記 | Comments(2)

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