タイトルがグチャグチャでどうもこうもならんわい

常緑樹についた傷を覆うカサブタはさんぼです。どうもこんにちは、こんばんは、ウグローニーメンデゥ!更新が停滞しておるのでPING稼ぎと練習がてらに過去作を使った読み物を投下しておきます。






1943年9月イタリア

上陸を開始した連合軍を迎え撃つため、ドイツ軍はイタリア中部に四重に及ぶ防御線を構築して抵抗を試みた。第二の「ヒトラーライン」が危機に瀕した時、第三の「グスタフライン」構築が始まりつつあった……。





【Einzelkämpfer in ITALY】


“狙撃兵大隊は現戦域に止まり友軍の戦線再構築が完了するまで敵の侵攻を阻止せよ!”


「早い話がここで死ねってこったろうが……」

総統閣下延命のために親衛隊のクソ中尉がピカピカの軍靴を履いて泥塗れの俺の所へ持ってきたのはこういうクソみたいな話だった。なんで俺がテメェの言う事なんざ聞かなきゃならん。俺は栄えあるドイツ陸軍の狙撃兵であってお前らの御守りじゃねぇ。

丁重に復唱してやると、胸糞悪い金髪の青二才は一番綺麗なホルヒに上等なワインから凝った額装のラクガキまで目一杯積み込んで出て行きやがった。

それが四日前だ。食えもしねぇもん抱えて、あんな靴じゃタコツボも掘れやしねぇ。何が“戦線の再構築”だアホめ。なんもかんもメチャクチャだ。

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だから街には何も残ってねぇ。賢いイタリア女が丸めた新聞紙を水で湿らせてそれを薪に飯を炊く健気な姿が唯一心安らぐ景色だ。ああすれば長く燃える。女は良い。近寄ると敵へ居場所を知らされるから照準眼鏡越しに見るだけだが。


こいつは戦争だから手の平返しした連中が大勢いた。もちろん、そうで無い奴も居た。そんな事ができるなら何で戦争なんぞ始めやがった?バカじゃねぇのか?ため息と一緒に煙を吐き出した。頭に来る……。



おっと、アホ面下げて敵が来やがった。俺はモーゼルを掴むと一昨日見つけた絶好の位置に滑り込んで照準眼鏡を覗き込む。遠くの角店あたりに半装軌車の超堤用ローラーが微かに見えたんだ。


あれは将校か?それとも本部付の事務屋か?まだ糊の付いた野戦服姿でイタリア女と話しては先が折れた電柱へしきりに話しかけている。お前も出てこい。顔を出せ。さあ。



女が米兵を引き連れて廃墟の案内を始めた所で俺は引き金を絞る。瓦礫と瓦礫の間を縫う道の真ん中で地図を持つ男が崩れ落ちた。通訳が駆け寄るが二人で膝を抱えて転げまわる。気が違ったように女は走り回り、真後ろの兵の一団が出鱈目に撃ち始めて明滅する銃口がいくつか見えた。引いたボルトを静かに押し込み、ハンドルを倒す。



当るわけがねぇ。俺は石。俺は石、植木の側に転がる石。



四発目を放った数秒後、轟音が寝そべる俺の腹を打って小石とゴミの雨が降る。
ボロバケツの如く拉げた姿で囮の鉄兜が眼前を横切った。
隣の教会の鐘楼が砲撃で木端微塵にぶっ飛んでいた。罰当たりな奴らめ、だから明後日の方向を撃っちまうんだ。
お前らも愛されてはいないからな。


「潮時か……」

道の上で哀れに転がる敵兵を後目に俺は住み慣れた隠れ家を捨てた。残るはライ麦の黒パン一つ。

だが奴らは報いを受けるだろう。明日、釣鐘を壊した罪で。俺が戸棚に隠した一挺のルガーが奴らの1人が見る最期の景色になるはずだ。


まぁ俺の食い物はなんとかなる。どうせその辺に味方のがいくらでも転がってるからな。頭に来る。本当に。


*この物語はフィクッションです。


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by sanbo_cho | 2018-04-01 23:37 | 模型―読み物 | Comments(0)

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